おいしさはやさしさ

旅行の日記とか独り言です

山形ひとり旅の覚書

冬になると雪深いところに行きたくなりがちで、今年は山形に来ている。前半はひとり旅、後半は知人と合流するのが今回の旅程。ひとり旅パートは明日の午前までなので、いろいろ旅行中に考えたことをメモしておく。

  

 

・70歳近くにして人生悩める人に会った

ひとりでお酒飲んでたら、あとからふらっと来たおじさんに話しかけられて少々お喋り。これから1週間湯治宿にこもるらしい。奥さんを誘ったが断られたので一人で来ていて、日常を離れて考えごとをするらしい。何を考えるのかな〜と思って聞いてみたら「人生これでいいんだろうか?」というテーマだそうで、結婚して子どももいて定年後も雇われながら働いているけれど、特に思い入れもない東京にすみ続けるのか?それより、毎年のように旅行にいく思い出の地に住む方が幸せなのでは?とのこと。年を聞いてみたら70近くとのことで、50過ぎくらいにも見える肌艶の良さに驚いた。わたしも30歳にして同じようなこと(このまま東京に住むのか?)を考えているので、わかるなぁ、という気持ちと、70になってもその気持ちって抱え続けるんだ、という怖さを感じた。初対面で小一時間くらい話しただけの人だから、勝手な感想に過ぎないけど、きっとこの方は、安定した人生や周りの人とうまくやることにエネルギーを注いできたんだろうなぁ。「日本酒が好きだけど、まあとりあえずビールかなと思ってビールばかり飲んでいた、日本酒はあまり詳しくない」というお話もされていたので、なんというか「好きなものとかやりたいことは、そのときにやっておく」ようにしたいな!とあらためて思った。自分探しの旅に出ても自分は見つからないけど、やりたいことやるくらいはしたいよね〜。

 

 

・「常連」という立場

東京から山形、移動で半日くらい必要なんだけど、そんなところにも「常連さん」がいるのになんだかびっくりした。同じ宿に泊まって同じ飲み屋に行って、久しぶりに来たら「ようこそ」と言ってもらう世界、なんだか不思議である。

わたしは旅行先とかひとりごはんしてるときに知らない人に話しかけられがちで、その場では割と盛り上がるんだけど、そのあと2回目が怖くてあんまり行けない。「行きつけの店」を作りたい反面、お店の人に覚えられるのはなんだか怖いなと思う。と思いつつ、常連さんたちが楽しそうに飲んでる姿は羨ましいなと思う。なにがどう怖いのかはあまり自分でも言語化できていないのだけど…知人のバイト先に遊びに行くのとかは好きなので、お店の人と知り合い、ということ自体はそんなに嫌な環境でもなさそう。常連になるなら友人もセットで常連になりたい(いつもくる女子2人、とかで覚えられたい)と思うけど、なんだかこれは恋愛みたいな話な気がしてきた…気があるのを相手に悟られたくない、という気持ちに似ている気がする。別に食べ物飲み物が好きということだけなのにねぇ。

でも飲食の趣味ってすごく個人的なものでもある気がする。たとえばビール一つとっても、定番のアサヒを飲みたがるのか、初めて見るクラフトビールを飲むのか。アサヒが好きな人は「変わらないもの」とか「自分の永遠のお気に入り」がある人で、クラフトビールは「細かな違いを楽しむ」「まずはやってみる」人が多い気がする(わたしの周りだけかもしれないけれど)。

なので行きつけのお店ができて、店員さんに覚えられるということは、お店の扱う食べ物が好きだということをお店の人に伝えることであり、逆に自分がどんな人であるかを相手に意識せぬままに伝えてしまうことになるのだ。と解釈している気がするなぁ。文字にしてみると、まあ実際その食べ物飲み物が好きなんだから、その気持ちにわざわざフタをすることもないのでは?とも改めて思う。

最近は「せっかくお金使うなら顔が見える人に喜ばれるお金の使い方をしたい」と思うので、その意識もあって、常連と思われることが怖くなくなってきたところもあるな。クラフトビールや日本酒が好き、ということを公言できるようになってきたのも大きい。お店の人にいろいろ教えてもらえるのは楽しいし、常連の方が、よりいろんなお喋りができそうで楽しそう。逆にお店によく来てくれる人を覚えたりもして、単純に顔見知りが多い世界を楽しめるようにもなってきた。

ただ、山小屋の常連さんとか、今回の温泉地の常連さんにはまだなれそうもない…まだまだ行きたい旅行先はたくさんあるからな、そしてそれらの旅行先と比べてそこが行きつけになるほどハマれるかも分からないし。ということを言っていたら一生どこの常連にもなれないんだろうな〜。前段の後悔に近い話だったり、いつまでも結婚できない話に近そう。別に人生でどこかのお店の常連にならなくてもいいっちゃいいんだけど、極端な言い方をすると「選択と集中」だ。

 

 

・やたらと知らない人とお喋りしがち

毎日のように知らない人と喋っていた。隣で飲んでる人とか、居酒屋の店員さんとか…本を読むのも面白いけど、知らない人と話すのはまた違った面白さがある!今日は雛人形について詳しくなって面白かった。

友人に「よく色んな人と喋ってるね」と言われるけど、無害そうな見た目でよく飲み食いする人は話しかけやすいだろうなと我ながら思うし、だいたいの話を興味深く聞けるから相手も喋りやすいでしょうねぇ、と思ったりする。

 

 

そんなかんじです。