おいしさはやさしさ

旅行の日記とか独り言です

おにぎりをむすぶ

久しぶりに長いこと実家に帰った。なんかいろいろ「あ〜この人たちに育ててもらって一緒にいたから今のわたしがいるんだな〜」と良くも悪くも思った。

朝から晩までひっきりなしに誰かが家を出入りしていて、人がいる限り基本的に誰かが発話していて、常に美味しいもののことを考えていて、完全に私を構成する要素たちだった。

美味しいもの買ってきたらみんなで食べてご機嫌になり、「せっかくだから私のおすすめのごはん屋へ!」と日々の推しごはん屋さんに行き、よく食べよく喋り、なんかまあ毎日このくらいシンプルでいいんだよな〜一人だと良くも悪くも考えすぎちゃいがちだな。

実家の大きくて音のいいテレビでELLEGARDEN復活NHK特番を見た。ファン心を分かっている選曲でめちゃくちゃ良かった。「風の日」すごく好きな曲だけど、このかっこいい曲がハムスターとの別れをきっかけにできた曲という話を聞き、音楽の雰囲気とのギャップに更に好きになってしまった。ここしばらく登山ばかりしているけど、同じく登山をして新曲ができたとのこと、完全に「登山ありがとう」の気持ちだ…

インタビュー聞いて、歌詞への向き合い方を聞いて、あらためて「歌詞にこだわりがあるバンドが好きなんだな」と気づくなどした。中学後半の頃の私は日々がなんだかうるさくて逃げたくて、そんなときにラジオでSalamanderを聞いてカッコ良さに衝撃を受けて、最寄り駅前のTSUTAYAでELEVEN FIRE CRACKERSのアルバムを借りて、英語の歌詞を諳んじられるほど聞きまくったんだった。既に活動停止してたから、YouTubeに上がってるライブ動画を覚えるほど見るしかなかったけど、まさかライブチケットの抽選に参加したり(未だに当たらないけど)、新曲を聞けるようになるなんて思ってもみなかったな〜。生き長らえて良かった。

大学が山の中腹にあったんだけど、学生だった頃は登山にあまり興味がなくて、ただ目の前の道を通学のためだけに歩いていた。始業時間ギリギリに坂道をダッシュしたり、終電に向かって商店街を走ったり、道の上にある目的地に分刻みスケジュールでたどり着く暮らしをしていた。登山にハマり、道の上よりも空を見上げることが多くなった。その目線でいつもの道を見てみたら、視線の先にはしっかりと山があった。きっと季節に合わせて色を変えていたはずの山、4年も通った通学路なのに記憶がない。こういう、「昔から存在していたけれど、自分の注意が向かっていないことで気づいていなかったこと」はたくさんあるんだろうな。親の気遣いだって、自分が自分でお金を稼いで家事を自分でしているから気付けるようになってきたんだろうし、友人の振る舞いの裏にある気持ちや性格に想いを馳せたりできるようになってきたのも最近だ。「読書は自分が知っている常識を再確認する営み」といったフレーズを聞いたことがあるけど、そもそも人生自体そういう節があるよな〜。最近は遠出して外の様々な刺激を得るよりも、自分の考えを深く持って、自分が動かずともたくさん気づきを得られる人生を送りたいモードになっている。

 

なんだかいろいろ人生の伏線回収を感じつつある帰省だった。