おいしさはやさしさ

旅行の日記とか独り言です

「餃子ロード」を読んだ

突然ですが、わたしは餃子が好きです。単品で主食・主菜・おつまみ全ての役割をこなせてすごい。そんな餃子はわたしが暮らす日本、発祥の国中国、それからロシアしまいには東欧?まで存在する食べ物だと言う話を聞きました。そしてそれをまとめた本があると知り、読んだのがこの本です。

実際の中身は、だいたいが作者の思い出に基づく随筆で、餃子について論じたものとは異なっています。大連育ちの作者のセンセーショナルな中国での思い出は、私が物心ついてから把握している中国よりもキリキリとした雰囲気を感じさせます。今より比較的安全だった中央アジア、そこに足を運んだ筆者の思い出は、数々の戦争を経て再現不可能な姿なのでしょう。

ここからは私のただの感想なのですが、この本が発行されている1990年頃の本は少し私の好む経路とは違う描写が多いなと思うところがあり…戦後の無骨な感覚を少し残したというかなんというか、むさ苦しい男の冒険譚という印象を受けました。実際、いまのつるつるした時代とはことなる埃っぽい空気を彼らは吸って暮らしていたのでしょうが、なかなか入り込めず、少し消化不良な感覚もあります。

ただ餃子が世界中で食べられていると言う事、それも貧しい地域から豪華なホテルでまで、様々な人の暮らしを支えていると言うのは、普段食べている餃子から世界が広がる気持ちがして面白いですね。本の最後にある水餃子の作り方がおいしい、とどこかで見かけたことがあるのでいつか試したいと思う気持ちの一方、餃子を一人暮らしで作る大変さを思うと実際に作ってみる日は少し先になる気がします…いつか作る日を夢見て、ごきげんよう