おいしさはやさしさ

社会人になりました

アートな週末

東京のいいところに、芸術との距離の近さがあると思います。ということで本日はアート系3本立ての日曜日でした。どれも刺激的だったので、さらっとご紹介。

草間彌生

kusama2017.jp

草間彌生といえば水玉のかぼちゃの人で、直島へは行きそびれたまま関西から出てきてしまいました。以前、2012年にも展覧会があって大阪で行った記憶があるのですが、そのときとは印象が異なっていて、その変化が面白かったです。作風やテーマが変わったのか、受け取り手の私の気持ちが違うからか。前回は、赤と黒の水玉にひたすら圧倒されて、狂気のようなエネルギーの印象が強く疲れてしまった。なんとなく悲鳴のような作品だ、という印象だったように思います。今回は、最初の絵から明るさを感じ、広間に一面にかかる絵は生きる活力を感じました。絵を観て私が抱く印象と作品タイトルが一致しない、というのは往々にしてあることなのですが笑、今回は良い意味でタイトルに裏切られたような感覚があります。この大広間にかかっていた百幾つもの絵は比較的最近のものが多いようだったので、この差分が前回との違いかもしれません。

また、草間彌生の作品を観て毎度思うのですが、同じ対象物を観ても人によって見え方が全然違うんだろうな、と。私には花のかたちがあのように見えないし、水玉模様や網目がフィルターのようにかかることもないし、男根で物が作られている様子もイメージできない。でも、きっと草間彌生には世界がそんなふうに見えていて、それをそのまま描写して作品が作られているのだろう。水玉というのが、"普通"の人と大きく違うから話題になっているものの、もっと細かい部分ではどんな対象物も個人ひとり一人にまったく違う見え方をしているのかもしれない。そんな想像をすると不思議な気分になるし、そう思う機会があるのが草間彌生展だと思いました。

週末は激混みだろうな〜と思って夕方頃行ったらまあまあ見れるくらいの混雑具合でした。ショップの方が混雑すごかった。いろいろアイテムもありましたが、毎度のポストカードばかり買って満足。正方形のポストカードってなんだかワクワクする。

 

MAT

mediaambitiontokyo.jp

せっかく普段来られないエリアに来たので、知り合いがSNSに上げていて気になっていたMedia Ambition Tokyoにも行ってみました。最先端の技術を用いたアートの展示。インスタジェニックな展示もいろいろあっで楽しかったけど、個人的にはJapanese English Accentの翻訳機が面白かった。日本人訛りの英語と、かくあるべき英語をあえて翻訳する機械という設定。日本人がここまで文法ちゃんと喋れたら苦労せんやろ!とは思ったものの、発音が壁になっているのは否定できないよな…と思いました。他にも、未来の乗り物に乗った感覚のシアター(スターウォーズぽい!)や、蚕を3Dプリンタに見立てて作ったシルク素材であったり、普段なかなか見られないものが展示されていました。頭がカチカチなので「これがめちゃくちゃ未来につながる感じする!」というストーリーは描けなかったものの、TOKYOの夜景を観ながら未来に思いを馳せるのがすごく未来ぽくて面白かった。

夜20時頃に行ったらシティビューから東京タワーがとてもキレイに見えて、外国人の人たちがいっぱい来てて、ここがきっと観光地として有名なんだろうなと気づいた。確かに東京タワーに登って景色を見下ろすより、東京タワーを見下ろせる展望台に行くほうがテンションあがるよな…面白いところですギロッポン

 

N・S・ハルシャ展

www.mori.art.museum

さて一日にアートを詰め込んだものの、個人的に一番理解できて面白かったのがこのハルシャ展でした。とりあえずインド行きたい気持ちが刺激されまくった。南インド・マイスールに生まれたハルシャの現代アート作品が展示されています。時間帯のせいかガラガラですごく良い環境だった。全体的に木のいい匂いしてた。

作品のテーマとして取り上げられているのが、現代インドを取り巻く資本主義化に対する批評だとか、インドの根底に流れる思想をあえてピックアップしたものとか。これは「今この時代を生きる」存在だからこそ作れる作品だろうし、彼がインドの中以外の視点も持っているからこそ描けるんだろうなと思った。

パターンとして、ひたすら人が並ぶ構図に少しずつ違いを入れる、というものが多かった。でも一人ひとり顔や様子が違っていて、この人達全員にバックストーリーがあるんだろうなと思わされた。マグリッドの「ゴルコンダ」に近しいかも。ただ、タッチが水彩ぽくて繊細な感じがして好みだった。グッズにポストカードとかまったくなくて残念!

ちょこちょこ作品中にオマージュがあるのも今っぽい。

f:id:puch0o:20170306002243j:plainデュシャンの「泉」とか

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Windowsのパソコン(の先に誰か繋がってるのか?)とか。

(※撮影OKなのです!」

 

このミシンの作品、どうやって持ってきたのかすごく気になる。「国家とは」、というテーマは個人的に引っかかっているポイントなのでもうちょっと深掘りしたいです。

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終わりと始まりがつながりっぱなしなの、インドの輪廻転生な感じがある。しかもこの作品めっちゃ大きい。圧倒された。

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正直インドに行ったことはないし、この作家のことも全然知らなかったけど、批評として問うているポイントにすごく共感できた。スーツを着た人たちが頑張ってくれるみたいだけど、そのためには農民がそもそもの生産を担う必要があるのでは?とか、人々の世界は科学技術によって良くなるのか?とかとか。顕微鏡と望遠鏡、でミクロとマクロの視点を表しているのもなんだか知的だと思った。展示の最後にサルがいるの、RADWIMPS前前前世」のMV思い出しちゃうし、いろいろと伏線を回収しにいきたくなる展示でした。「前衛的すぎて理解に苦しむ」というのが現代アートあるあるなのですが、彼の作品はもうちょっと世俗的というか、わかりやすくて楽しめました。たぶんそこまでブームになる企画展でない気もしますが、ぜひインドに興味がある人は行ってほしい!

 

そんな感じのアートな週末でした。明日から天気が崩れるみたいでちょっと憂鬱ですが、新しい一週間も実り多きものとなりますように。ごきげんよう